三洋化成グループは、社是「企業を通じてよりよい社会を建設しよう」に基づいて、ステークホルダーのみなさまと連携しながら、経済的価値と社会的価値をともに向上させ、将来にわたって持続的に成長することを目指しています。そのためにも、ステークホルダーのみなさまから信頼されるコーポレート・ガバナンスを構築することを経営の最重要課題のひとつと位置付けています。

コーポレート・ガバナンス体制

当社は監査役会設置会社です。また、取締役会により決定された経営方針などに従い、執行役員が業務執行を行う「執行役員制」をとっており、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能を明確に区分しています。

コーポレート・ガバナンスに関する報告書はこちら

コーポレート・ガバナンス体制図

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コーポレート・ガバナンス体制図

取締役・取締役会

取締役の任期は1年とし、取締役9名のうち3名は、経営の監督機能強化の観点から独立社外取締役にするとともに、取締役会の議長は、業務執行を行わない取締役から選定しています。毎月原則1回開催し、経営方針などの重要事項の決定と、取締役・執行役員による業務執行状況の監督を行っています。2022年度は15回開催しました。

監査役・監査役会

監査役4名のうち3名は社外監査役です。監査役は取締役会や経営会議などの重要な会議に出席する他、重要な決裁書類の閲覧などを行います。当社の広範な業務に精通した社内出身の監査役の知見と、財務・経理・会計に従事した経験もしくは企業経営に従事した経験を有する社外監査役の知見を活用して、取締役の職務の執行を監査しています。また、監査役会直轄の組織として監査役スタッフ室を設置し、取締役から独立したスタッフが監査役の職務を補助する体制をとることで、監査の実効性確保につとめています。

経営会議

経営会議は毎月原則1回開催し、取締役会により決定された経営方針などに基づき、執行役員が行う重要な業務執行上の決定を行っています。

各委員会

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委員長 2022年度
開催実績(回)
役割
指名・報酬委員会 取締役会長 5 取締役会の諮問機関で、社外取締役が委員の過半数を占め、取締役の指名・報酬に関して、取締役会へ答申を行う。
サステナブル
経営委員会
社長 2 取締役会直轄の組織で、持続的な成長に向けたプロセスおよび環境・社会・ガバナンスに関して優先して対応すべき重要課題の対応方針を審議・決定する。
コンプライアンス
委員会
社長 1 取締役会直轄の組織で、コンプライアンスを徹底するため、その基本方針や施策を審議・決定する。
内部統制委員会 社長 2 取締役会直轄の組織で、内部統制システム全般の基本方針の決定ならびに内部統制システムの整備・運用・評価・改善活動を指導・監督する。

取締役選任基準

当社は、営業・研究の各機能、生産・間接の各部門の専門能力・知見・実績をもとに経営の課題に対する客観的判断能力や先見性・洞察力などを有する社内出身の取締役と、豊富な経験に基づき客観的な視点から積極的に助言、提言などを行うことができる社外取締役により取締役会を構成することを方針とし、バランスや多様性などに配慮の上、取締役候補者を選任しています。

監査役選任基準

当社は、上場企業の経営者または経理部門の責任者などの経験に基づく高い専門性と見識を有し、加えて法令上の社外性を有する社外出身の監査役と、財務会計に関する知見や専門分野での知識、経験をもとに、客観的な監査に関する意見を述べることができ、業務執行者からの独立性を確保できる資質を有する社内出身の監査役により監査役会を構成することを方針とし、監査役会の同意のもと、監査役候補者を選任しています。

社外取締役選任理由

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氏名 独立役員 適合項目に関する補足説明 選任の理由
白井文 該当事項なし 当社の独立性基準を満たしているため、一般株主と利益相反が生じる恐れはないと判断し、独立役員に指定しています。同氏は長年にわたり市政運営に携わり、行政活動を通じた豊富な経験に加え、他の上場企業の社外取締役として企業経営に関わった経験と実績を有しています。これらの幅広い経験・知見を活かし、独立した立場から有用な指摘・意見をいただくことによって、今後も当社企業価値の持続的向上に貢献いただけることが期待できるため、社外取締役として選任しています。
小畑英明 該当事項なし 当社の独立性基準を満たしているため、一般株主と利益相反が生じる恐れはないと判断し、独立役員として指定しています。同氏は人事・総務を中心とした管理部門での豊富な実務経験に加え、幅広い事業領域を持つ企業において長年にわたり経営に携わった経験と実績を有しております。これらの幅広い知見・経験を活かし、独立した立場から有用な指摘・意見をいただくことによって、今後も当社企業価値の持続的向上に貢献いただけることが期待できるため、社外取締役として選任しています。
佐野由美 当社の業務委託先である公益財団法人21世紀職業財団の業務執行者(関西事務所長)です。取引実績額は、同財団の経常収益の2%未満であり、当社を主要取引先とする者には該当しません。 当社の独立性基準を満たしているため、一般株主と利益相反が生じる恐れはないと判断し、独立役員として指定しています。同氏は上場企業や公益法人におけるダイバーシティ推進や人材育成に関する豊富な実務経験に加え、他の上場会社の社外取締役として企業経営に関わられた経験と実績を有しています。これらの幅広い経験・知見を活かし、独立した立場から有用な指摘・意見をいただくことによって、今後も当社企業価値の持続的向上に貢献いただけることが期待できるため、社外取締役として選任しています。

取締役会のダイバーシティ

取締役会は、その役割・責務を実効的に果たすための知識・経験・能力を全体としてバランス良く備え、ジェンダーや国際性、職歴、年齢の面を含む多様性と適正規模を両立させ、各人の人格などを総合的に勘案して取締役候補者を選任しています。次の基本的な考え方に基づいて中長期的な企業価値の向上を図るため、当社の取締役会に必要なスキル項目を指名・報酬委員会で検討し、企業経営、コンプライアンス・リスクマネジメント、多様性への理解・サステナビリティ、国際ビジネス、研究開発・生産・新規事業開発、営業・マーケティング、人材開発・育成、財務会計の8つの項目を定めました。本スキル項目は、経営環境や社会情勢などを踏まえて、必要に応じて見直しを行います。

基本的な考え方

  • 社是「企業を通じてよりよい社会を建設しよう」の実践を通じて社会に貢献すること
  • 安定的な経営基盤を堅持し、既存事業の強みを活かしつつ新規事業開発に積極的に取り組むこと
  • 多様性を尊重し、働きがいを感じるワクワクする会社を実践すること

2023年6月末時点での取締役会は、これらのスキル項目に関する知見を有する取締役9名(独立社外取締役は3名、うち2名が女性)と、監査役4名(独立社外監査役1名)で構成されています。また、独立社外取締役には、他社での経営経験を有する者が含まれています。

役員報酬およびインセンティブ

当社の取締役の報酬などについては、企業業績向上に向け優秀な人材の確保につながるとともに、職責に見合った報酬水準、報酬体系となるよう設計することを基本方針としています。これらの報酬水準、報酬体系については、業績の推移や外部の客観データなどを勘案して決定しており、その妥当性については、社外取締役を過半数とする指名・報酬委員会において検証しています。なお、取締役の報酬などの決定に関する基本方針は、取締役会で審議・決定しています。取締役報酬は、「基本報酬」、「賞与」および「株式報酬」で構成されています。

報酬等種類の概要

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報酬の種類 概要
基本報酬 各取締役の役割と責任を基準に、中長期および当該事業年度の業績状況や他社水準も勘案の上決定し、月例で支給
賞与 業績向上に対する意識を高めるため、企業の収益力を表す連結経常利益を指標とし、当該事業年度および中長期の業績状況を基準に総支給額を算出し、配分については各取締役の役割と責任を基準に決定し、毎年一定の時期に支給
株式報酬 株式交付規定に基づき、役位等に応じてポイントを付与し、原則として取締役退任時にポイント数に応じた当社株式を交付

取締役・監査役への研修

社内出身および常勤の取締役・監査役に対しては、就任時に関連法令、当社定款、取締役会規程などの社内規定の説明を行い、社外取締役および常勤の社外監査役に対しては、当社工場など事業所の視察実施を通じて、事業内容の理解促進を図っています。また、コーポレート・ガバナンスに関する外部セミナーの受講など、必要な知識・情報を取得する機会を提供しています。

スキル・マトリックス

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氏名 役職 社外 独立 保有するスキル
企業経営 コンプライアンス・リスクマネジメント 多様性への理解・サステナビリティ 国際
ビジネス
研究開発・生産・新規事業開発 営業・マーケティング 人材開発・育成 財務会計
安藤 孝夫 取締役会長
樋口 章憲 代表取締役
社長
前田 浩平 代表取締役
原田 正大 取締役
須崎 裕之 取締役
西村 健一 取締役
白井 文 取締役
小畑 英明 取締役
佐野 由美 取締役
黒目 泰一 監査役
堀家 尚文 監査役
加留部 淳 監査役
中野 雄介 監査役

主な議案と審議事項

取締役会

  • 中期経営計画、総合計画策定
  • 主要な事業の運営方針
  • 出資、融資、寄付案件
  • 取締役会の実効性評価結果の確認
  • 指名・報酬委員会への諮問事項
  • 決算関係書類の承認
  • 株主総会関係手続に関するもの
  • 会社法に基づく、利益相反取引や役員賠償責任保険などの決議・重要な使用人の選解任・役員報酬関係

指名・報酬委員会

  • 監査役を含んだ、取締役会の構成(スキル・マトリックス)の再作成
  • あるべき社長像の特定、評価基準、育成方法等、代表取締役社長後継者計画の検討
  • 業績連動報酬の評価指標についての検討
  • 報酬種類別の支給割合についての検討

サステナブル経営委員会

  • 経済的価値の向上の取り組み
  • 非財務情報の開示手法
  • 人的資本の方針・人権方針の策定
  • 気候変動への取り組み

コンプライアンス委員会

  • 企業倫理勉強会の実施計画
  • 内部通報窓口などへの通報の実績
  • 内部通報規定の改定
  • リスクマネジメント活動の方針

内部統制委員会

  • 財務報告に係る内部統制の評価結果
  • 「内部統制システム」運用状況概要の「事業報告」への開示案について
  • 財務報告以外の重要リスクに係る内部統制システムの運用状況評価結果

取締役会実効性評価

当社では、社外を含む全取締役(9名)と全監査役(4名)を対象に、取締役会の実効性に関する匿名でのアンケート調査およびその結果に基づく取締役会の実効性評価を実施しています。2022年度の取締役会に係るアンケート調査は、

  1. 取締役会の構成、運営
  2. 取締役会の議論
  3. 取締役会のモニタリング機能
  4. 取締役のパフォーマンス
  5. 取締役、監査役に対する支援体制、トレーニング
  6. 株主との対話
  7. 取締役自身の取り組み

を大項目とした各設問に対して、5段階評価もしくは自由記述欄にコメントで回答するもので、客観性を確保するため第三者機関のシステムを利用して2023年3月に実施しました。その結果は、2023年5月開催の取締役会に報告され、アンケート調査における5段階評価の集計結果と自由記述欄のコメントをもとにした議論・分析を行ったうえで、実効性の評価を行いました。 評価の概要としては、前年度に行った実効性評価で、取締役会の実効性をさらに高めるため改善の余地があることが明らかになった「ガバナンス体制の充実」「中長期視点からの経営戦略の議論の充実」および「社外役員への対応の充実」に関して、今回、取締役会としては一定の改善が見られたと評価しました。上記のアンケート設問に対する回答結果から、取締役会の実効性は概ね確保されていると評価しました。特に取締役会の運営については、非業務執行取締役が取締役会議長として議事進行を行い、公正な視点による運営につとめています。 一方で、今後も取締役会の実効性をさらに高めるためには、従前から改善の余地があるとしてきた「ガバナンス体制の充実」「中長期視点からの経営戦略の議論の充実」および「社外役員への対応の充実」に関して、継続的に改善に取り組むことの必要性を認識しており、これらの課題に対して真摯に改善に取り組みます。

サクセッション・プラン(後継者育成計画)

2022年度の指名・報酬委員会では、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、会社の経営理念や経営戦略に整合する「あるべき社長像」の特定および代表取締役社長候補者の選定プロセスと計画的な育成方法を議論し、取締役会に答申しました。特に「あるべき社長像」については、社是「企業を通じてよりよい社会を建設しよう」のもと、昨年開示した「経営方針」の中で明らかにした、2030年度における当社グループの「ありたい姿」を実現するために、次期代表取締役社長となる者が備えるべき要件を特定しました。また、約10年後の代表取締役社長を想定した次世代の候補者審議や女性執行役員候補者の育成方法についても指名・報酬委員会で議論し、取締役会に答申を行いました。