マテリアリティ

マテリアリティ特定の考え方

三洋化成グループでは、マテリアリティの定義を「三洋化成グループの中長期での価値創造に大きな影響を及ぼす重要課題」と位置付けています。当社グループが定めるすべてのステークホルダーの価値創造のため、中長期テーマを特定して優先的に取り組むことが価値創造への最短距離と考え、以下1〜4のプロセスをたどってマテリアリティを特定しました。

プロセス1:課題の特定

各種ガイドライン[SASBの化学産業の評価基準、GRIガイドライン、持続的な開発目標(SDGs)、世界経済フォーラム中核指標(WEF)]、ステークホルダーとのコミュニケーション、全従業員・役員向け社是アンケートなどを参考に課題を選定しています。

プロセス2:優先順位付けとマテリアリティ・マトリックスの作成

特定した課題の優先順位を考え、企業理念や財務への影響、イノベーション創出の機会、三洋化成グループらしさなどを大株主や従業員などとの対話から優先順位付けをし、横軸に経営および事業目線、縦軸に社会環境課題解決への期待・貢献でマトリックスを作成しています。

プロセス3:マテリアリティの特定

E(環境)、L(生命/生活)分野を事業に関するマテリアリティとし、S(社会)、G(ガバナンス)分野を基盤強化に関するマテリアリティとして、計6つを特定しています(QOLの向上に関する期待・貢献の象徴として従来のESGからLの分野を切り出し分類)。

プロセス4:妥当性の確認および取締役会での承認

社⾧が委員⾧を務めるサステナブル経営委員会で妥当性の確認などの審議を経て、取締役会で承認を受けています。また、今後起こりうる事業環境の変化に応じて、見直していきます。

将来の事業環境の認識

  • ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東地域をめぐる情勢の悪化による資源エネルギー価格の高止まりは継続すると見込まれ、さらにAI の普及に伴う電力や水資源などの使用量増により、より一層の環境改善やカーボンニュートラルを目指す社会に進むと予想されます。
  • 少子高齢化はもはや先進国にとどまらず世界的な課題となっており、社会からの視点では長寿命・健康産業への社会ニーズの高まり、企業からの視点では生産人口の減少に対処していく必要があります。
  • 価値観の多様化が進むにつれビジネスの変化スピードは加速しており、独自事業のみでなくさまざまなネットワークが活発に形成されています。一方で希薄な産業分野が生じる一面があり、伝統産業・地場産業は後継者不足などを理由に衰退する懸念があります。
  • 昨今の品質不正問題により社会の企業を見る目は厳格化しており、品質をはじめとするリスクマネジメント体制やコーポレートガバナンスの強化は必須であるとともに、ステークホルダーの要望に応じて適切に開示することが求められています。

三洋化成グループのマテリアリティ

事業に関するマテリアリティ

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分類 機会とリスク
(〇機会/●リスク)
どのように取り組むか
目標/【KPI(実績)】
関連ページ
E CN Interface Innovatorとしてカーボンニュートラルの達成
  • ◯脱炭素に適した素材への需要シフト
  • ◯循環型経済への移行加速や脱炭素社会に向けた革新技術の登場
  • ●気候変動に対するカーボンプライシング等の政策による規制強化に伴う業績悪化
界面制御技術を活かしたカーボンニュートラルへの貢献 統合報告書
「社長メッセージ」
L QOL 「はたらき」を化学してQOLを向上
  • ◯予防医療と健康増進ニーズの高まり
  • ●社会ニーズへの対応不足による業績悪化
新たな技術を駆使したメディカル分野における価値創造
人の生活に密着した新たな価値創造

基盤強化に関するマテリアリティ

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分類 機会とリスク
(〇機会/●リスク)
どのように取り組むか
目標/【KPI(実績)】
関連ページ
S In 産業/文化/教育の価値創造を下支えしてイノベーションを創出
  • ◯地域社会との共生、異分野コミュニケーションを通じたビジネスチャンスの創出
  • ●化学力低下、地域産業衰退に引き起こされる日本の競争力低下・市場縮小による業績悪化
「化学のちから」を活かし、化学分野の枠にとらわれない新たな分野への挑戦
  • 新たなビジネスモデルである遊休化学品とニーズをつなぐマッチングプラットフォーム「UQ Chem」サービスの推進
  • さまざまな京都伝統産業の下支えのための技術・資金貢献(三洋化成社会貢献財団)
  • 異分野との協業・アライアンス、スタートアップへの出資の積極的推進
  • DX、MIの推進
  • 小中学校への化学の出張授業、京都大学との京都超SDGsコンソーシアム参加
統合報告書
「DX戦略」
HC 多様な価値観を認め合って人財育成と職場環境を向上
  • ◯多様化による新たな価値創造
  • ◯職場風土改革による従業員エンゲージメントの向上
  • ●価値観・働き方の多様化への対応不足による従業員エンゲージメントの低下、および人財の獲得難・流出
多様性を重視した経営(DEI) 全社員がワクワクして取り組める風土へ
  • 女性活躍推進【女性リーダー職比率 2023年度15%以上(2023年度15.3%)、女性管理職比率 2023年度6%以上(2023年度4.9%)】
  • LGBTQ理解促進
  • イクボス宣言、イクボス企業同盟加盟 【男性育休取得率 2025年度100%(2023年度92.4%)】
  • 健康経営の推進
  • 経営陣と従業員のコミュニケーションの充実: 朝会(全従業員への講話)、合宿(本部長との議論)、道場(経営補佐職等への伝承)、サロン(中堅・若手従業員との対話)
  • 障がいのある従業員も働ける職場環境の整備 【障がい者雇用率 2026年度2.7%以上(2024年6月1日時点2.71%)】
≫ ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DEI)
≫ 働き方改革
≫ 健康経営
G RM ガーディアン機能を強化してリスク管理を徹底
  • ◯高品質な製品の安定供給による業績向上
  • ◯ステークホルダーの信頼獲得による企業価値の向上
  • ●内部統制の機能不全に伴う事業継続リスク、予期せぬ損失の発生、信用の低下
  • 生産と品質保証の独立体制による品質ガバナンスの強化
  • 企業価値毀損の高い重大リスクのマネジメント体制構築
  • 法令遵守体制の強化
  • 安全教育センター活用による安全衛生体制の強化
≫ リスクマネジメント
TM 挑戦を恐れない透明性のある経営
  • ◯ステークホルダーの信頼獲得による企業価値の向上
  • ●コーポレート・ガバナンスの機能不全に伴う信用の低下、企業価値の低下
  • WakuWaku経営推進
    全部署がプロフィット志向
  • 取締役会の多様性
    【女性比率≧30%への引き上げ(2024年6月21日時点25%)】
    【独立社外取締役比率: 取締役会≧1/3(2024年6月21日時点3/8)】
  • 非財務情報およびコーポレート・ガバナンスの開示充実
  • 株主・投資家・従業員等ステークホルダーとの対話の充実
  • サステナブル経営の強化
≫ コーポレート・ガバナンス